株式会社良品計画は、「無印良品」を中心とした専鬥店の運営や商品企画・開発・製造、卸しおよび販売を行っており、国内外に1,029店舗を構えています(2020年8月現在で国内479店舗、海外550店舗)。
これまで国内で活用していた「Tableau」によるレポート作成をグローバルでも活用することになったことをきっかけに、アルテリックスジャパンのセルフサービスデータ分析ソリューションである「Alteryx」を導入しました。
プログラミングのような特別なスキルを持った人材がいなくても、データ加工やロジック変更が可能になり、グローバル展開に貢献しています。
1980年12月、株式会社西友のプライベートブランドとして40品目でデビューした「無印良品」。株式会社良品計画は、「無印良品」の企画開発・製造から流通・販売までを行う製造小売業として、1989年に西友から独立しました。商品のラインアップは現在、衣料品、日用品、食料品など、日常生活に必要な約7,000アイテムに拡大しており、無印良品の店舗をはじめ、レストランやIDÉEなど国内外に1,029店舗を展開しています(2020年8月現在)。
2017年に営業指標を分析するために、データの可視化や、顧客情報、販売実績など各種の分析に適したBl(Business Intelligence)ツールであるTableau Software, LLC.の「Tableau(タブロー)」を導入。営業・商品部門を対象に、基幹システムのプログラムでTableau用の中間データを作り、レポートを作成することになりました。軌道に乗ってきた2018年には、国内で活用していたレポートを海外でも活用したいという要望が高まります。
「Tableau導入当時、関わっていたスタッフは私を含め2名でした。レポー卜数が多かったことと、メンテナンス面での課題を感じていたこともあり、対象店舖を増やすには人的リソースが圧倒的に不足していました」(良品計画様)
人的リソースについての課題感は残りながらも、グローバルなシステム再構築プロジェクトがスタート。
その一環として、全世界共通のKPIを用いた経営判断を行うことを目的に、日本で活用していた9種のレポートを海外全グループ販社にも適用することが決まりました。その時に浮き彫りになった課題は以下の2つでした。
課題
そこで、基幹システム側の開発リソースに負担をかけずに、海外販社を含めたTableau用の中間データを効率的に作成できるツールとして、「Alteryx」を導入することになりました。
「それまでも、レポートの改修要件が頻繁にあり、ロジックの見直しに素早く対応するには、内製できるようになりたい、という希望もありました。他製品との比較も行った結果、Alteryxはプログラミングの知識がなくてもデータ加工やロジック変更に対応できるソリューションである、と判断し採用することにしました」(良品計画様)
良品計画は、当初はグローバルMD分析に対象を絞って導入。その後第2弾として、対象を管理会計における予実管理や財務分析に広げました。グローバルMD分析では、グローバル標準KPI分析などを実施し、「Tableau」でインサイトを可視化しています。現在は第3弾として、アプリ会員分析への活用にも取り組んでいます。
導入時にテクニカルな障壁はなかった一方で、導入コストという新たな支出が発生し、それなりの負担感はあるものの、費用対効果を考えると、導入は正解だったといいます。導入して1年2か月が経ったいま、良品計画様が考えるAlteryxの評価は以下の通りです。
Alteryx導入後の評価
Alteryx導入によって、ほかにもさまざまなメリットがあったといいます。
「Tableauで作成したレポートを見て、KPIのローデータを確認したい時も、Alteryxだと簡単にデータを取り出せるので便利です。これは導入後に気がついたAlteryxの良さのひとつです」(良品計画様)
良品計画では、導入1年後には、Alteryx Serverの「Gallery(ギャラリー)」機能の使用を開始。ファイルアップロードのために簡単なAPIを作り、従業員数管理や個店投資計画を担当する経営企画部門のスタッフに開放しました。現在は、各担当者がレポート用のデータを簡単にアップロードできるようになっています。また、アップロード時点で、マスタとcsvファイルとの間でのカラムの突合・存在チェックや、csvファイル内での重複レコードチェックができるようになり、利便性が向上しています。
「一方で課題もあります。ひとつは、グローバル展開が急務で、基幹システムのプログラムをそのままAlteryxのワークフローに移行することを優先したため、フローが複雑化している部分があることです。早く効率のよいフローになるよう整理したいです。もうひとつは、業務拡大を想定した課題です。現在、複数の海外販社から時差で連携されるデータを、レポートの種類・販社別に8コアで並列処理しています。今後、Tableauの利用範囲が広がるだけでなく、レポートの種類やディストリビューターが増えることを想定しています。そのため、サーバーのリソースや開発ライセンスをいかに効率的に活用できるかを考えています」(良品計画様)
良品計画では、営業指標だけでなくお客様の声も分析したいといった要望が出てきているそうです。実現するためには、より多くのデータ量や種類に対応する必要があるため、ワークフローやサーバリソースの効率化を検討していきたいと、今後の展望を語っていただきました。
株式会社良品計画の会社情報はこちら