表計算ソフトの作業にはリスクがつきもの
ハワイ大学マノア校の Ray Panko 教授は、表計算ソフトの計算式の平均 88% に、1% 以上のエラーが含まれていることを指摘しています。このようなミスは莫大なコスト損失につながる可能性があり、実際にそのようなケースを多く耳にします。例をいくつかご紹介します。
- JPMorgan Chase 社は表計算ソフトのミスにより、65 億ドルという過去最大の損失を被りました。同社が使用していたバリューアットリスク(VaR)モデルの計算式に誤りがあり、平均値ではなく合計値を割っていたため、ボラティリティが過小評価され、VaR が低くなっていたことが原因です。
- 英国では、表計算ソフトの技術的なエラーが原因でおよそ 1 万 6,000 件の COVID-19 の検査結果が未報告となっていました。これは、6 万 5,000 行のデータしか処理できない古いファイル形式でデータをまとめていたことが原因です。COVID-19 の検査結果から複数行のデータが生成されましたが、テンプレートに入力できる症例は約 1,400 件までとなっており、上限を超えた症例が欠落する結果となってしまったのです。
- Barclays Capital 社は、リーマンショック時に 179 もの契約を購入しなければなりませんでしたが、これは、表計算ソフトの隠しセルを見落としていたことが原因でした。
こうした手作業による人為的ミスを鑑みると、何百万ドル、何十億ドルものお金がからむ案件を、表計算ソフトで計算することは、あまりにもリスキーです。 また、金銭的な損失だけでなく、作業者の貴重な時間を奪う恐れもあります。
時は金なり
「ワークフローを使ってあらゆる作業を自動化することで、より多くの時間をデータ分析に費やし、より良い洞察を得て、お客様のサポートに役立てられるようになりました。コピー&ペーストの繰り返しから解放され、自分の専門知識を大いに業務に生かしています」
— Grant Thornton 社の税務報告パートナー
表計算ソフトに週に何時間費やしていますか?IDC の調査によると、データ運用担当者は 1 週間で平均 24 時間を表計算ソフトに費やしています。しかし、McKinsey によると、一部またはすべての税務プロセスやタスクの 81% が自動化可能であることが明らかになっています。
自動化によって、税務部門はエラーや監査の手間を減らすだけでなく、付加価値の高い分析により多くの時間を費やすことができるようになります。自動化により税務部門が得られる主なメリットは以下の通りです。
- 明確な監査証跡を作成
- 税務上の問題になり得る事項を監査前に迅速に特定
- 異常値を検出
- 管理コストを削減
- コンプライアンスのプロセスを自動化
- 戦略的な税務分析により多くの時間を配分
もし、毎週 24 時間分の時間を取り戻せたら、どんなことができるか想像してみてください。
ワークシートからワークフローへ
毎週の時間を取り戻すためには、計画を立てる必要があります。 最新のテクノロジーを利用すれば、反復的な税務プロセスの多くを自動化できますが、 どこから手を付けたらいいか迷われる方も多いのではないでしょうか。 まずは、自動化によって大きなメリットを期待できるユースケースを特定しましょう。 最適なユースケースは、得られるビジネス価値が明確で、次の条件の 1 つ以上を満たしているものです。
- 反復的な作業を自動化し、効率性を改善
- ビジネス機会を特定し、収益を促進
- コストの削減により、利益率を改善
- リスクを軽減
- 迅速なインサイトの獲得に向けた従業員のスキルアップ
消費税の配賦だけでなく、自動化によって得られるメリットは多岐にわたります。
電子書籍『税務担当者が時間を取り戻すために役立つ 5 つのユースケース』では、自動化によって大幅に効率化できる税務プロセスを詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
また、財務部門向けスターターキットでは、売上税の申告から固定資産の減価償却まで、あらゆる税務に役立つ構築済みのワークフローをご利用いただけますので、そちらもご活用ください。
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