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ESGプログラムの立ち上げ時に押さえるべき4つのステップ

戦略   |   Jennifer Yuen   |   2023年2月6日

編集者注: ESGは壮大なテーマであるため、どこから手をつければよいかお悩みの方も多いかもしれません。 AlteryxのESGおよびサステナビリティ担当マネージャーであるJennifer Yuenが、ESGプログラムを立ち上げる際に実行した4つのシンプルなステップをご紹介します。

Alteryxでの私の役割は、取締役会から環境、社会、ガバナンス (ESG) の取り組みを優先するように新たな指令が出たのと同時にスタートしました。そこでの目標は、炭素排出量の削減や、DEIB (多様性、公平性、包括性、帰属意識) の向上といった主要なEG領域に焦点を当てながら、Alteryx for Goodの取り組みを補完するESGのレポートプログラムを構築することでした。

しかし、ESGのメリットについてはよく耳にするものの、ESGプログラムを軌道に乗せるためにどのような取り組みが必要なのかについては、ほとんど議論されません。 そこで今回は、AlteryxプラットフォームでESGプログラムを開発することで得られた教訓と、そのために取り組んだ4つのステップをご紹介します。これらに従うことで、どんなプログラムもうまく回り出し、結果を出し、世界をより良くする力が得られるようになるはずです。

まずは重要性の評価から始める

ESGには、広範にわたる複雑な要素が数多く含まれており、その多くはやっかいなものです。 水の利用や土地の保護から、現代の労働基準まで、それぞれの課題に対応するためのデータの在り処を把握するだけでも大変な作業です。

そのため、ESGに取り組む際には、社内で最も注意を払う必要があるのはどの分野なのか、さらにはステークホルダーが何を最も重要視しているのかを理解することが重要です。

Alteryxでは、まず社内外の主要なステークホルダーに、ESGのどの分野に最初に着目すべきか、またビジネスの成功にとって何が重要だと考えているかを尋ねることから始めました。 そして、ヒアリングの結果をまとめ、企業としての優先事項と社会的な優先事項のバランスを取るようにしました。 このように、まずは重要課題を把握し、そこから戦略を構築していくことをお勧めします。 そうすることで、情報が多すぎるといった問題を回避できるようになります。

データを理解する

私たちはビジネスで重視する分野の一つとして、環境への影響を選択しました。 しかし、すべてのデータがどこにあるのかを把握することは非常に困難で、特にサプライヤーやサードパーティのデータが絡んでくる場合がやっかいでした。

たとえば、炭素排出量を例に取りますと、 社員一人ひとりの通勤方法、所有機器のリスト、職場での行動などを収集し、処理するのは大変な作業です。 さらに、取引先企業のすべてでこうした作業を行う必要がある場合、扱うデータの量と複雑さは驚異的なものになります。

そこで、温室効果ガス(GHG)プロトコルのガイダンスを参考に、重点的に取り組むべきカテゴリーを特定し、今後の削減目標設定に役立てました。 初年度は主に推測に頼ることになりましたが、どこにデータがあるのか、関係者は誰なのかを確認しながら進めていくうちに、年々レポートが作成しやすくなっていきました。 この段階での最大のアドバイスは、ステークホルダーとの関係構築に重点を置き、特にESGやサステナビリティチーム以外のステークホルダーに対して、短期的には作業負担を強いられるとしても、将来的にどのようなメリットを得られるようになるかを効果的に伝えるようにすることです。 こうすることで、全員がどのようなデータを提供すべきかを理解し、将来的にワークフローの自動化を検討できるようにもなります。

初回のESG開示レポートを作成する

ESGレポートの作成は、何か月もかけてデータを整理・処理し、真実とインサイトが詰まったレポートに仕立て上げるという手のかかる作業です。 このESGレポートによって、ESGの各分野で企業としてどのような取り組みが行われており、時間の経過とともに、業務がどのように改善されているかを、お客様や投資家に示すことができるようになります。

ただし、ESGの報告は多くの企業にとって比較的新しい取り組みであり、変化が起こるときにありがちなことですが、さまざまなリスクや負担が伴います。

しかし、EUなどの地域では、すでにレポートの作成が義務付けられており、変化は不可避のものとなっています。また、米国証券取引委員会 (SEC) も、今年から気候変動に関する情報開示を義務付ける準備を進めています。このように情報の開示が不可避となりつつある中で、問題や不測の事態を回避するためには、すべてのデータのワークフローを自動化し、関係者全員がそのプロセスを利用できるような方法を検討することをお勧めします。

継続的な評価と改善のフローを確立させる

適切なデータと自動化ワークフローによるレポート作成プロセスを確立できたら、それを毎年継続的に改善し、今後の変化に対処できる流動性を持たせることが重要です。

継続的な改善の一例として、データの鮮度を保ち、可能な限り多くのワークフローを自動化することなどが挙げられます。 報告のスピードアップと手作業の削減が実現すれば、ビジネスに大きな優位性がもたらされるだけでなく、世界に開示する情報の正確性と透明性を最大化することが可能となります。

複雑なデータの鍵となる自動化を取り入れる

ESG開示の信頼性を高めるための適切な基盤を確立することはもちろん重要ですが、ここでポイントとなるのは、すべてのデータを検索し、あらゆる集計プロセスを自動化でいる方法を見出すことです。

私は以前、財務報告書の作成に携わっていたことがあり、その経験はソースデータとビジネスインサイトの関係を理解する上で大いに役立っていますが、Alteryxの自動データ集計やワークフローがあったからこそ、これほどまでに短期間で成果を達成できたのだと思っています。

Alteryx Analytics Automation Platformによるデータ処理プロセスの自動化の詳細については、Alteryxチームまでお気軽お問い合わせください

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