Mr. Yaguchi
日本キャタピラー合同会社(以下、日本キャタピラー)のビジネスは主に、建設機械の新車販売、中古車販売、レンタル、およびそれらのメンテナンスサービスという 4 つの事業で成り立っています。同社の顧客は、大小さまざまな建設や工事、農業や畜産業、除雪などさまざまです。新車を購入することもあれば、中古車を選択することもあり、状況に応じてレンタルを活用するケースもあります。当然のことながらメンテナンスサービスの利用状況もバラバラです。最大の課題は、事業部ごとに管理している情報を、どのようにまとめるかという点です。従来、デジタル戦略グループで情報を集める際には、各事業部門の担当者に依頼して Excel ファイルで提供してもらうという手法を採っていました。現在のところ、日本キャタピラーでは、Salesforce のデータは API で、その他のデータは CSV ファイルや Excel ファイルを経由して Alteryx に取り込み、分析し、Tableau などの BI ツールで可視化するという手法を採り、既存の情報分析業務の効率化を図っています。
「当社の顧客情報が数十万件にもおよぶ一方で、営業スタッフはけっして多くありません。効率的に的確なサポートを提供するためには、4 つの事業部門から情報を集めて横断的に分析を行い、最適化された知見・インサイトをフィードバックする必要があります」(業務推進部 デジタル戦略グループ グループマネージャー 矢口未知彦氏)
最大の課題は、事業部ごとに管理している情報を、どのようにまとめるかという点です。「フォーマットは用意しているのですが、担当者によって記入の方法はバラバラですし、必要のない情報が混じることもあります。情報が膨大になるため、手作業でまとめるのはとても時間がかかります。集計した情報は Tableau などの BI ツールを使って見やすくすることはできますが、そこに至るまでのプロセスに大きな課題を抱えていました」(業務推進部 デジタル戦略グループ 主務 岩田浩氏)
また矢口氏は、顧客の情報収集や購買活動の変化にも注目しています。最近は営業スタッフが訪問営業する前に、自ら Web サイトなどで事前に情報収集している顧客が少なくないそうです。そのため矢口氏は、顧客の Web 上の活動を分析して「カスタマージャーニー」を作成し、営業活動をサポートしたいとも考えています。しかし現状の情報収集方法では、顧客の活動を追うことはできません。
「データを収集し、変換・加工してつなぐ ETL の機能に加えて、分析まで統合的に実行できるツールが必要でした。高度なソリューションはありますが高価すぎますし、もっと手軽に利用できる効率的なソフトウェアがほしいと考えていました」(矢口氏) . 矢口氏は、ある Tableau のユーザー交流会で「Alteryx」の話を耳にし、“これが理想のツールだ”と直感したそうです。矢口氏は、早い段階から Alteryx を積極的に取り扱っていたクラスメソッドに問い合わせ、トライアルを開始しました。まずは自部門のスタッフに配布して、既存業務の効率化や新しい分析手法を試してもらいました。
現在のところ、日本キャタピラーでは、Salesforce のデータは API で、その他のデータは CSV ファイルや Excel ファイルを経由して Alteryx に取り込み、分析し、Tableau などの BI ツールで可視化するという手法を採り、既存の情報分析業務の効率化を図っています。
「私は、インサイドセールス向けの顧客情報の収集や整理も担当していますが、 Alteryx を導入したことによって、ファイルの形式がバラバラでも、必要なデータだけを簡単に抽出し、まとめられるようになりました。 Alteryx は、高度な AI や分析だけでなく、単純な集計作業にも強力なパワーを発揮するのがよいですね。もう Alteryx なしの業務には戻れません」(岩田氏 )
さらに Alteryx の高度な活用方法として、故障予測や需要予測など、機械学習手法を軸とした予測モデルの構築も始めています。また Web 経由の問い合わせ情報を分析し、営業部門へ商談前の洞察として提供するための準備も進めています。より高度なデジタルマーケティングを実践するのが、矢口氏の当面の目標です。
Alteryx の最大の魅力は、簡単に扱えることでした複雑な SQL 文を書く必要もなく、GUI でアイコンをドラッグ&ドロップするだけで ETL の処理フローを描くことができます。高度な分析を行うための機械学習ツールも豊富で、顧客管理や商談管理に利用している Salesforce から情報を収集するための API も用意されています。
Excel で実行できる処理のほとんどを実行できるうえに、フローとして処理内容を共有できるのも重要な点でした。Excel の関数やマクロは、実質的にブラックボックス化してしまい、再現したり加工したりするのが困難だったためです。他社の既存のソリューションと比べて、はるかに安価なコストで導入できるというのも魅力でした。
「とにかく業務のスピードアップが段違いです。私たちは巨大なデータを扱うことが多く、Excel では処理に長時間かかってしまうのです。ちょっとした処理を実行するだけで、休憩時間を取れるほどでした。私はトップマネジメントの依頼でデータ分析やレポートをまとめることがありますが、これまで 2~3 週間かかっていたものが数日で終えられるようになりました。短期間のトライアルでしたが、“以前の環境には戻れない”と感じました」(業務推進部 デジタル戦略グループ 合掌大将氏)