オックスフォード大学出版局、Alteryxを使用してデータ主導の販売プロセスを自動化

オックスフォード大学出版局（以下、OUP）の歴史は、印刷技術の黎明期までさかのぼります。1478年に最初の書籍がオックスフォードで印刷され、1586年には、英国裁判所（スターチェンバー）による布告により、オックスフォード大学に書籍印刷の権利が認められました。

現在、OUPは50か国で5,000人以上の従業員を抱え、世界最大規模を誇る大学出版局として、学術・教育分野を幅広く網羅した製品を世界中で販売しています。

歴史ある出版社、デジタルへの転換を推進

世界中で最高水準のリソースを広く提供するOUPでは、ミッションの達成に向けて、何世紀にもわたる書籍の印刷主体の経営から、デジタルファーストの出版社へと移行するための大規模な変革を進めています。

昨年は、最新の研究成果に関する豊富なコンテンツを提供する研究者向けのデジタルリソースであるOxford Academicプラットフォームへと42,000冊の書籍を移行しました。

昨今は、デジタル関連の収益の増加に伴い、データ分析の重要性がますます高まっています。OUPのデータ＆アナリティクスチームの責任者であるEmma McQuillan氏は次のように述べています。「オンラインコンテンツの利用が増えるにつれ、デジタルデータへのアクセスも向上し、そのデータを活用することで、お客様の行動をより深く理解し、データに基づいた意思決定を行える組織へと進化していると実感しています。」

自動分析を活用したデータ主導の営業活動 

McQuillan氏が率いるOUPのアカデミック部門のデータ＆アナリティクスチームでは、顧客の支出、利用状況、製品、価格のデータなど、新たなデジタルデータソースを活用し、価値を引き出すことを目指しています。

同チームは、データ分析と自動化を活用することで、手動で行っていた見込み顧客の発掘にかかる時間を大幅に削減し、収益に直結する成果を上げています。さらに、データに基づいて自動的に営業機会を創出する仕組みも確立しました。

これまで同社では、営業担当者が営業活動に必要なインサイトを得るために、さまざまな場所や別のチームにデータを取りに行く必要がありました。「手作業でレポートを作成するのではなく、簡単にデータにアクセスし、活用できる仕組みを確立させたいと考えていました」（McQuillan氏）

現在、データ＆アナリティクスチームは、営業データとデジタルデータを組み合わせることによって、新しいビジネス機会や新製品にマッチする顧客を特定しています。例えば、顧客の購買パターン、購入に至っていない製品、製品の利用データなどを分析することで、特定の製品を購入する可能性が高い顧客リストを作成しています。

さらにはこうしたプロセスを自動化し、データに基づく販売機会を直接Salesforce（会社のCRMプラットフォーム）に取り込むことのできるテンプレートも作成しました。「このプロセスによって、営業担当者がターゲットとすべき顧客を効率的に絞り込めるようになり、どの製品を提案すべきかを判断する際に、精神面、リソース面における負担が大幅に軽減されました。」（McQuillan氏）

データ分析がビジネスに有益であることを証明

データ主導の販売ソリューションは、時間の節約だけでなく、新たなビジネス機会の創出やパイプライン収益の大幅な増加にも貢献しています。自動生成されたビジネス機会をSalesforceで追跡することで、それらが実際の成約や収益の向上にどれだけ貢献したかを正確に把握できるようになりました。また、分析ソリューションの活用により、同社の多様な製品で販売機会が増加しています。

McQuillan氏は、データ分析や専門的なデータチームへの投資がどのように実際のビジネス成果に結びついているかを証明すること、さらに、分析文化が組織に与える影響を検証することが重要だと語ります。

OUPがデジタルファーストの出版社として成長を続ける中で、McQuillan氏のチームは、データを活用して業務効率の向上や売上拡大を図る新たな方法を模索し続けています。