マクラーレンレーシングが目標達成のために使用する 5 つのデータ活用法

戦略   |   Shane Remer   |   2021年12月6日

「過去20年間のうちでも、最も大きな変化を感じている」

「過去 20 年間のうちでも、最も大きな変化を感じている」と、おっしゃいました。

Keyworth 氏は、マクラーレンレーシングのビジネステクノロジー部門のディレクターとして、 マクラーレン F1 プログラムの全 IT システムと技術に加え、e スポーツや Extreme E に参入するためのルールにも責任を負っています。

サプライチェーンの問題が深刻化するパンデミック下において、F1 がマシンのレギュレーションを変更し、新たなコスト上限や技術的な制限を課すという決定を下したことで、Keyworth 氏をはじめとするマクラーレンのレーシングチームは、意思決定において大きなプレッシャーにさらされることとなりました。

Keyworth 氏やチームメンバーは、23 戦の F1 レースを勝ち抜くための競争力を維持しながら、短時間のうちにこれまでのやり方を見直し、プロセスに変更を加えなければなりませんでした。

それと同時に、拡大するマクラーレンレーシングのファンの期待に応えていく必要もありました。

F1 レースは、金融パッケージやパッケージ商品の販売とは異なるものかもしれませんが、マクラーレンレーシングが直面した課題や、目標達成のために考案したソリューションは、どの企業にも共通するものだと言えます。 さらに、マクラーレンレーシングでは、トップダウン方式により、さまざまな問題解決を図っています。

1. マクラーレンレーシングは、最終目標にフォーカスしている

マクラーレンレーシングの最終目標は「勝利」に他なりません。

そして、次回のレースだけでなく、それ以降のレースにも勝ち続けていく必要があります。

マクラーレンレーシングでは、そうした目標を念頭に置くことで、チームの各セクションが全体としてどのようなことを重視して何を改善すべきかを理解し、 それにより収集すべきデータを把握しています。

マクラーレンレーシングはレース週ごとに、マシンから「1.5 テラバイト」ものデータを収集しています。
こうしたデータは、ピットストップ、ドライバーの健康状態、マシンのパフォーマンスなど、実に多岐に渡ります。

しかし、最終的な目標を知ることで、改善のために必要なデータや、そのために収集する必要のあるデータを理解できるようになります。

まとめ:ビジネスの目標を明確化することで、すべてのチームと社員がビジネスの改善に向け、何をすべきかを理解できるようになります。

2. 反復する

マクラーレンレーシングでは、反復的な設計のフローを取り入れることで、今後搭載される可能性のある新機能やマシンの改良をテストしています。 時にはテストした機能がすぐには使用されず、もっと先の段階で使用されることもあります。

また、場合によっては、「デジタルツイン」を使用することもあります。

特に、CFD (数値流体力学) のテストにおいては、限られた時間の中で、何が有効で何が有効でないかをデータで判断しなければなりません。そして、「これだ」と思うものが見つかったときに、初めて資材を発注し、レーシングカーの製造に着手することとなります。

マシンの製造にあたっては、世界中に影響を及ぼしている供給の問題や、すべての F1 チームに課せられた新たなコスト上限を踏まえながら、どのパーツや原料を注文し、どのように使用するかを慎重に判断しなければなりません。

また、コスト面での制約から新たな人材の採用も難しくなるため、限られた資材でパフォーマンスに優れたマシンを最速で生産するために、データを有効に活用していく必要があります。

まとめ:データの活用により、各部門の業務効率や生産工程を最適化し、時間やコスト面の制約をクリアしましょう。

3. データに合わせる

マクラーレンレーシングではレース中、 14 分ごとにマシンのエンジニアリングを変更する必要があります。

つまり、レースシーズン終了時には、当初のモデルから 80% 近くも変更されることになります。

マクラーレンレーシングでは、反復的な設計のフローやテストを通じて、こまめに修正を加えるだけでなく、 マシンをより速く、より効率的にするために、常に新たなことにチャレンジしています。

皆さんが、テレビで目にするレーシングカーは、幾度にもわたるテストを繰り返して完成した、集大成と言えるべきものなのです。 機能、 最適化、 パーツ、 設計、 それらすべてのデータをまとめあげ、レースに向けて評価を行います。

これらのデータはレーシングカーからリアルタイムで配信され、ドライバーでもあるエンジニアが、常にドライバーとコミュニケーションを取りながら、 運転方法、物理的なセットアップ、エンジンなどについて、さまざまな質問を問いかけることで、パフォーマンスを確認しています。

要点:データから得られた洞察に基づいてこまめに変更を加えることが、勝利につながります。

4. コミュニティを構築する

全員が同じ目標に向かって努力し、その達成に向けてデータを活用するためには、全員がデータに対して共通の認識を持たなければなりません。

そのためには、誰もが必要なデータにアクセスできるようにするだけでなく、 データの意味を理解した上で、活用できるようにする必要があります。 つまり、すべてが統一された環境で、認識を揃えた上で、データを活用することが肝心です。

マクラーレンレーシングでは、Alteryx により分析を自動化することで、こうした環境を実現しています。

データサイエンスチームは、Alteryx で 1 日に 3,000 行ものコードを処理しています。 Alteryx では、データの活用プロセスを高速化するだけでなく、Python やアドオンを追加して、さらに高度なデータ活用を実現することもできます。

また、組織の誰もが容易に関与できるようになります。 マクラーレンレーシングでは、Alteryx のパートナーエコシステムを通じて、社員の Alteryx の活用に関するサポートも活用しています。

まとめ:データのサイロ化やチームの共通認識を妨げる障害を取り除き、誰もが分析のプロセスに関与できるようにしましょう。

5. プロセスを信頼する

マクラーレンレーシングでは膨大なデータを保有していますが、そのデータを扱うのは人間のチームです。 誰もがそうであるように、人間は感情で動きます。

どんな決断を下すにしても、自分が正しいと思い込んでしまう可能性は否定できません。

14 分に 1 回のペースで変更を行うマクラーレンレーシングにとって、意思決定は迅速かつ正確でなければならなりません。 どんなささいなミスでも、表彰台や入賞を逃す可能性につながります。

じっくりと時間をかけて意思決定を下すにこしたことはありませんが、ビジネスでは必ずしもそのような余裕があるわけではありません。

その代わりに、データを判断基準としましょう。

まとめ: Keyworth氏がおっしゃるように、「プロセスを信頼すれば、あとはデータが教えてくれる」のです。