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LEGO Group 社はどのように分析を拡張したのか

LEGO Group 社の意思決定支援ツール担当シニアマネージャーである Bill Shube 氏に、社内におけるデータの課題や、その解決方法を解説いただきます。

April 28, 2022

編集者注:このブログ記事は、LEGO Group 社の意思決定支援ツール部門シニアマネージャー Bill Shube 氏へのインタビューからの抜粋です。
こちらのリンクからインタビューのフル動画をご視聴いただけます。

LEGO Group はデータ分析に対してどのような体制で取り組んでいますか?

Shube 氏:全社的な視点で見ると、IT と BI は非常にグローバルな組織であり、デンマーク本社でほぼ一元的に管理されています。ただし、アメリカでは BI リソースも IT リソースも不足しているため、デンマークのチームと組んで仕事をすることが多いです。デンマークのチームはグローバルな優先順位を重視する傾向があり、その優先順位は私たちが対処しなければならないローカルな条件とうまくかみ合わないことがよくあります。ですので、自分たちの力で何とか切り抜けなければならないという思いが常にありました。


私たちのチームには、デマンドプランナー 2 名とサプライプランナー 1 名が在籍しており、
ビジネスのさまざまなニーズを理解するために、多方面から学ばなければなりませんでした。しかし、私たちは長年サプライチェーン業務に携わってきたため、誰に目を向けるべきかを知っているという強みがありました。
そして、それらの人々の業務内容やニーズを理解するために、じっくりと時間をかけて調査を行いました。

どのような分析の課題に直面していますか?

Shube 氏:データへのアクセス性とデータのレイテンシー(遅れ)が主な課題となっています。

データへのアクセス性
当社では、データへのアクセス性を高めるために、ビジネスウェアハウス(BW)を使用しています。数年前に導入したのですが、知識が十分ではなかったために、最終的にどのように活用されるようになるのか明確なイメージをつかめずにいました。そのため、BW は時間が経つにつれ無節操に拡大していき、「日常業務に必要なデータがさまざまな場所に分散して存在している」という状況が生じてしまいました。1 つのクエリですべての答えを引き出すことは到底不可能なので、常に複数のクエリを使用し、それらをつなぎあわせてさまざまな処理を行っています。
リアルタイムでのデータ活用が困難
当社の現在のシステムはエクセルベースなのですが、その点もネックとなっています。つい最近まで、ほとんどのデータがエクセルで保存されていために、データセットのサイズや作業の柔軟性などに多くの制約がありました。
エクセルは幅広い用途に活用できますが、メールなどでファイルをやり取りしているだけでは、必要なデータがどこにあるのか、どれが最新で正しいのか、あやふやになりがちです。しかもビジネスの規模が拡大するに従って、こうしたファイルも無秩序に増え続けていきます。データのサイズや複雑さが増すと、頻繁にフリーズしたり、動作が遅くなったりすることもしばしばです。また、必要とするデータのすべてを 1 つのファイルにまとめられるわけではないので、業務に必要なデータを見つけるために、膨大な数のエクセルファイルをくまなく調べざるを得なくなったりします。そのため、データを一元的に管理し、必要な答えをすぐに得られる環境を確立したいと考えていました。
私たちのチームでは、サプライチェーンのオペレーションにおける日常業務の改善や効率化に取り組んでいます。ビジネスウェアハウスでは、チームが使用しているシステムのスナップショット(システム構成のバックアップ)が毎日作成されます。サプライチェーンのオペレーションに携わる人間は、生のデータをリアルタイムで扱い、分単位でデータがどのような状態になっているかを把握する必要があります。
しかし、ビジネスウェアハウスのスナップショットは夜間に作成されるため、翌朝確認する頃にはすでに古くなってしまっており、あまり役に立ちません。
受注管理では、ほとんどの注文が 朝の 5 時に入ってくるので、担当者が出勤後に、BW で今日処理すべき注文をすぐに知ることができないのです。
このようなケースに対処するために「シャドウレポーティング」という手法が使われています。データを SAP から直接ダウンロードし、手作業で何度も検索してから、その結果をメールで配信するといった具合です。しかしこのプロセスは、標準化されておらず、手作業がメインとなり、非常に手間がかかるため、ビジネスにスピード感が求められる昨今、対応が難しくなってきています。

LEGO Group + Alteryx:クリックですべてが解決

Shube 氏:2019 年に Alteryx の製品を使い始めたときは、需要計画を担当していました。立ち上がって間もないグループだったので、自由に使えるレポーティングツールがありませんでした。そこで、私が新しいレポーティングツールの導入を担当することになりました。周囲に聞いて回ったところ、BI チームの 1 人が Alteryx のことを教えてくれました。
そして 1 か月ほど使ってみたところ、グループが日常業務で必要としていたデータの 90% を集約できるようになりました。
あらゆるデータを一元管理して、Tableau に取り込んでみたところ、業務が一変しました。データの下準備がほとんど不要になり、必要なものがすぐに手に入るようになったのです。
これからは、受注管理、物流、サプライプラニングなどの他のグループ、つまりサプライチェーンオペレーションに従事するすべての担当者に Alteryx を広めていきたいと考えています。

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