Tim Kessler, Business Unit Program Lead for Digitalization in Production and Processes, Power Transmission,
Siemens Energy
産業: エネルギーおよび公共事業
部門: オペレーショナル・エクセレンス
地域: グローバル
12 か月以内に増加した Alteryx のアクティブユーザー数
生成したユースケースのアイデアの数
という時間の節約と数十の新しいインサイト作成をデータとプロセスの自動化によって達成
Siemens Energy 社は、発電と送電、再生可能エネルギーなどを扱う世界的大企業です。同社の送電事業部では、何千もの送電網コンポーネントを製造し、世界中の顧客に供給しています。
送電部門は世界各地に 36 の工場を抱え、接地開閉器、コイル、回路ブレーカーなど、電力ネットワークが効果的に機能するために必要なあらゆるものを製造しています。そのため、生産、物流管理、財務などに関する膨大なデータが発生しており、さらにこれらの情報を各工場が独自にデータベース化していることから、問題が複雑化していました。
さらに、事業部のデータソースはそれだけにとどまりません。生産およびプロセス・デジタル化事業部のプログラムリードである Tim Kessler 氏は、SAP、Salesforce、Amazon Web Services などのソースから必要な情報を引き出すためのサポートを行っています。そして、このようなデータの複雑さがデータの円滑な管理を妨げ、組織がデータの価値を最大限に引き出す上での障害となっていることを懸念していました。
「データ分析の域まで達していませんでした。単にデータを処理しているだけだったのです」と Kessler 氏は語ります。「スプレッドシートに縛られ、データの統合や検証、計算式が正しく動作しているかの確認にばかり時間を取られていました」
これらの課題を解決するためには、自社のデータ資産を完全に可視化し、自在にアクセス・統合できるソリューションと、そのプロセスを簡単に実行できる自動化機能の導入が急務となっていました。
Siemens Energy 社
生産およびプロセス・デジタル化事業部プログラムリード、 Tim Kessler 氏
「新たに入社した同僚が『なぜ Alteryx を使っていないのですか?』と尋ねてきたのです」と Kessler 氏は語ります。「Alteryx について詳しく調べ、すでに使用している他部署の同僚から話を聞き、その年の後半に Alteryx の Inspire イベントに参加した後、組織やリーダーを説得する決意が固まりました」
Alteryx Designer を使用した初のプロジェクトで Kessler 氏は「収益レポートを作成し、社内のステークホルダーに送信する」という、毎週のタスクを自動化するためのシンプルなワークフローを構築しました。「このワークフローでは、生データが含まれるスプレッドシートをレポート用のスプレッドシートへと変換し、社内の各担当にメールで自動送信できます。これで、何かと緊急のタスクが生じがちな月曜日の朝の貴重な 30 分を簡単に節約できるようになりました」
2 番目のワークフローでは、さらに高度な自動化を実現。一度に最大 30 のプロジェクトとコマーシャル・プロジェクト・マネージャーのグループ用の予測レポートの作成を自動化しました。ワークフローは Alteryx 分析アプリのインターフェイスから自在にカスタマイズでき、Alteryx Designer のライセンス所有者でなくても、チームの誰もが簡単に自分用に予測出力をカスタマイズしたり活用したりすることができます。
「Alteryx Designer では、IT スキルよりもドメインの専門知識が重要です」と Kessler 氏は説明します。「ビジネスユーザーは、ニーズに応じて独自のワークフローやソリューションを簡単かつ迅速に構築でき、また、ギャラリーを通じてそれらを誰もが利用できるようにすることも可能です」
グローバルな自動化: あらゆる部署や事業部にわたって、自動分析を容易に拡張できます
生産性: 手作業によるデータタスクを排除し、価値あるインサイトを引き出します
データのリテラシーと民主化を培う: データの可視性を高め、全社的なデータのリテラシーの向上と分析の活用を促します
Alteryx Designer の導入後、同社ではわずか 6 か月足らずで、350 以上のワークフローの構築を達成。さらにパイプラインには 200 以上のユースケースのアイデアが控えています。
Alteryx ワークフローは、時間を節約するだけでなく、事業部がデータとプロセスの品質をエンドツーエンドでコントロールする上でも役に立っています。例えば、サプライヤーに注文確認のリマインダーを送信するワークフローがあれば、調達チームがスケジュール通りに注文情報を更新できるようになります。Kessler 氏は次のように説明します。「Alteryx の導入によって、サプライヤー側でも社内でも精度やプロセスの統制が維持できるようになり、プロセスの品質が飛躍的に向上しました。また、ワークフローによってプロセスの大幅な高速化と簡素化が実現し、毎月何時間もかけていた分析を、毎日数分で完了できるようになりました」
自動化の効果は、多くの従業員がリモートワークへの移行を余儀なくされた、2020 年のコロナ禍によるロックダウン中にさらに明確なものとなりました。当時、ある部門では、分析プロセスで Microsoft Access の巨大なデータベースを使用しており、分析を一晩中、最大 6 時間もかけて行っていました。そして問題が発生しました。このデータベースは特定のワークステーションからしか起動できず、その担当者が濃厚接触者となり、オフィスに立ち入ることができなくなってしまったのです。
そこで Alteryx Designer でワークフローを構築することにより、このプロセスをリモートで起動できるようになっただけでなく、実行にかかる時間を劇的に短縮することができたのです。一晩中かかっていた重労働は、今や数分で完了する作業となりました。
Kessler 氏は、このようなプロジェクトで Alteryx Designer を導入することで、絶大な安心感が生まれたと語ります。「自動化によってあらゆるプロセスが処理できます。ワークフローが代わりにすべてを実行してくれるため、ボタンをクリックする必要すらないことも多々あります。もう一人ひとりの出勤時間や勤務時間を気にする必要はありません 」
Alteryx 導入からわずか数か月で、Kessler 氏の事業部内のコミュニティは加速度的に成長し、アクティブユーザー数は 100 人を突破しました。また、600 人のライセンス所有者からなる Siemens Energy 社全体でのより大規模なコミュニティも存在します。「Siemens Energy 内には、互いに助け合い、絆を深め合う強力な Alteryx パワーユーザーのコミュニティがあります」と Kessler 氏は語ります。「コミュニティでは、データワーカー、新たなスキル、マインドセット、ユースケースのアイデアなどについての情報を共有するパワフルなネットワークが構築されています」
Kessler 氏は、コミュニティが Alteryx を介して達成している自動化は、Siemens Energy 社内のより広いプログラムやデジタル化の推進にも役立つと考えています。「インダストリー 4.0 (第 4 次産業革命)への移行にあたって、機械学習や人工知能の普及が進むにつれ、データの民主化やリテラシーの向上などがさらに重要になってきます。このような状況下でデジタル変革を成功させるには、影響を受けるすべての人を関与させていく必要があります。Alteryx はその実現に向けて、あらゆる人々に力を与えてくれます。